OB・OGインタビュー

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岡俊一郎先輩

2011年卒

現在の研究生活の様子を教えてください。

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↑研究室にて

↑ディン・Q・リーさんと駒場キャンパスで

↑ディン・Q・リーさんと駒場キャンパスで

現在は、駒場キャンパスの大学院で現代アートの研究をしています。現代アートの研究というと何をするの?と疑問に思われる方がいるかもしれません。普段 は、ゼミや読書会という形で課題の本や論文を読み、美術史や文化に関わる理論を勉強しています。美術史の知識や理論を使って、作品の背後にどういう意味が あるのかを読み解いていく作業はパズルのようでドキドキします。

「理論」の研究も重要だと考えていますが、同じ時代に生きるアーティストによって何が作られているのか、彼らは何を問題だと考えているのかを知るのも同じ くらい大切なことだと思っています。そのため、多くの美術館やギャラリーを歩き回っています。幸いなことに、東京には、回りきれないほどの美術館やギャラ リーがあります。しかも、東京大学の学生であれば、国立の美術博物館には優待価格で入場することができます。みなさんも是非行ってみてください。駒場キャ ンパスにも素敵な博物館があります。

 大学院では、自分の知識を深めるだけではなく、大学での研究と社会を橋渡しするような活動をしたいと考えていました。2012年10月には、研究室から の理解を得て、世界的に活躍するベトナム系アメリカ人のアーティストのディン・Q・リーさんを駒場キャンパスに招き講演会を開催しました。このような活動 を通して、とっつきにくいと思われがちな現代アートが、私たちの生きる世界をより深く理解し、新しい見方で眺めるための材料を提供してくれているのだとい うことを、多くの人に伝えることができたらいいなと思って研究していました。

柔道部の稽古と勉学、院試は両立しましたか?

柔道部の練習が学部の授業や研究に影響することはほとんどありませんでした。また、大学院の入試が4年生の2月に行われることもあり、院試の準備も問題なく行うことができました。
 
 練習に打ち込む時は練習に集中する、授業を受けるときには授業に集中するという意識をもって学生生活を過ごしていました。定期試験前には練習が休みになり、しっかりと試験に向けた準備をすることができます。

 私は、部活動をやることは自分の可能性を制限するのではなく、大きく広げてくれることだと思っています。部活動の傍ら、教養学部の留学プ ログラムを利用して、アメリカのスウァスモア大学に留学することができました。留学先では何かあるたびに、「黒帯を持っているんだ!すごいね」とか、 「ジュードーマスター!」いった感じで声をかけられ、柔道をやっていたことが大きな武器になったことを思い出します。
 
 私はアメリカの大学に留学しましたが、柔道部の部員の中では留学以外の形での国際交流もとても盛んです。国際大会に出場する部員もいますし、練習を通し てできた人脈を通じてフランスの道場に道着をもって出かける部員もいます。柔道を通した活動の幅はぐんと広がると思います。

入部を迷っている人、入部を希望する人にメッセージを。

このページを読んでいる皆さんの中には、大学での生活への不安を持っている方が多いことと思います。部活動で培われるつながりは、大学生活をおくっていく 上でのとても大きな力になります。実際、私が入部した際にも「高校での生活」と「大学での生活」の違いに悩むことがありました。けれど、練習を通してとて も親密な関係を築くことのできた先輩方からの親身になったアドバイスをもらうことで、不安を乗り越えることができました。
 
 また、高校までの柔道部生活では考えられないほど豊かなつながりを学内だけでなく学外の方とも得ることができました。こうしたつながりは、社会へと飛び立とうとしている現在とても有意義なものとなっています。

その他、新入生へメッセージがございましたら、よろしくお願いします。

私はこの4月から社会人となります。よく文系の大学生や大学院生は就職が厳しいなどと言われます。けれど、実際に就職活動をしてみて、自分が柔道部での活動や、大学での勉強で培ってきた力は、思っていた以上に就職活動の中で自分を助けてくれることに気がつきました。

 上でも少し触れましたが、柔道部では様々な場面で、多様な分野の第一線で活躍されている先輩方から、気軽にお話を聞くことができます。また、自分よりも年齢が上の人とお話しすること自体が大学生の私には珍しく、その経験自体がとても貴重なものでした。

 入学してからしばらくの間は、運動部に入っていない人のほうが時間に余裕があるように見えてうらやましく思うこともありました。けれど、今から思うと、忙しさの中でこそつかむことが出来るものがあったなと思います。

 新入生のみなさんにとって4年後はまだまだ先の話になると思いますが、大学で過ごす4年間のうちに、「何かに一途に打ち込むこと」は、得難い貴重な経験になると信じています。みなさんにとっての「何か」が柔道部での生活であればとてもうれしく思います。

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