OB・OGインタビュー

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国立天文台 特任助教 藤井 通子先輩

2005年卒

今どういったお仕事をされていますか

↑研究会で発表されている藤井先輩

↑研究会で発表されている藤井先輩

国立天文台で特任助教として宇宙の研究をしています。具体的には、スーパーコンピュータを用いたシミュレーションで、銀河や星団といった星の集まりが、宇 宙の歴史の中でどのように形成・進化してきたかを調べています。普段の仕事は、シミュレーションのためのコード開発からデータ解析、論文の執筆で、時に一 人で、時に他の研究者と協力して進めています。また、国内外の研究会で成果発表を行なっています。
 国立天文台の前は、オランダのライデン大学で研究員として研究をしていました。私にとっては初めての海外生活でしたが、世界各国出身の友人や様々な分野 で活躍する日本人の友人もでき、オランダでの生活は自分の人生においてとても良い経験となりました。研究者というのは非常にグローバルな仕事で、海外の大 学や研究所で仕事をする人はたくさんいますし、年に 2、3 回くらい海外の研究会にも参加します。世界中の研究者と時に競争し、時に協力しながら、人類がまだ答えを知らない謎に挑んでいくのは、とてもやりがいがあ る仕事だと思います。その一方で、大学や研究機関で研究を続けるためには、熾烈な競争もあります。

そのお仕事に、東大柔道部時代の経験がどう生きていますか

↑大学 4 年時、東京学生柔道優勝大会で 3 位入賞。 全日本学生柔道優勝大会および講道館杯に出場。

↑大学 4 年時、東京学生柔道優勝大会で 3 位入賞。
全日本学生柔道優勝大会および講道館杯に出場。

大学生だった当時は、毎日練習があって、さらに勉強もついていかなければならず大変でしたが、勉強や仕事に対する集中力と瞬発力がついたと思います。いざ 予定が立て込んだ時に、それをなんとかやり切る能力はどんな仕事をするにも役に立ちます。また、たいていのことは合宿よりは辛くないので、どんな状況でも 乗り切れる力が付くと思います。
(ただし、出産だけは合宿より辛かったです。)
 もう一つ、柔道部に入って良かったことは、いろいろな人と出会えたということです。研究者の世界はどうしても研究者だけ、しかも同じ分野の研究者だけで 閉じていて、他の仕事の人と知り合う機会があまりありません。それではどうしても視野が狭くなってしまうので、大学時代にその後様々な職業に就く人々と出 会えたことは良かったと思います。
 あと、女性限定ですが…出産の時に、柔道をやっていたおかげで自分の体の使い方がわかっていたので、柔道をやっていて良かったと思いました。

高校時代は、どういうことをやっておけばいいですか

何でもいいですが、勉強以外のこともやって、いっぱい失敗して、挫折もしておくと良いと思います。高校生活は一度きりなので、悔いのないようにいろいろ楽 しんでおいてください。もし、悔いが残っても、たいていのことは大学でも取り戻せるので、大丈夫です。何かしら悔いが残って、それが大学での原動力になる のではないかと思います。私の場合、高校で悔いが残ったからこそ、大学でも柔道を続けていたので。

高校生におすすめの本等はありますか

これといって思い浮かばないのですが、強いて言えば高校の教科書です。私は理系だったのですが、理系なら歴史など社会科の教科書をおすすめします。受験に 関係なく知識の幅を広げておくと、何かと役に立ちます。私の場合、その後ヨーロッパで生活することになったので、高校で世界史を一通り勉強していたのは話 題についていくのに役に立ちました。

その他、高校生にメッセージをお願いします

大学時代、何かを「やり遂げた!」という経験は、その後の人生において大きな自信になります。そして、そこには必ず一緒に頑張った仲間がいて、彼らはかけ がえのない戦友となります。それは、同じ大学の仲間だけでなく、ライバルとして戦った他大の人達も同じです。4 年間やり終えた後、何が良かったかというのは、言葉では表現しきれませんが、今も自分の中で大事な何かであることは変わりません。
 学業や仕事のようなしなくてはならないことではなく、仲間と共にあれ程真剣に何かに取り組むというのは、学生時代ならではのことで、大学はその最後の機会です。その機会を活かし、大きく成長してください。

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