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東京大学工学部精密工学科教授 国枝 正典 先輩

1980年卒

プロフィールとメッセージ

↑研究室のメンバーと安田講堂前にて。国枝先輩は写真の一番右。

↑研究室のメンバーと安田講堂前にて。国枝先輩は写真の一番右。

↑博士と修士の学位授与式のあと、安田講堂前で記念撮影

↑博士と修士の学位授与式のあと、安田講堂前で記念撮影

↑研究室の実験装置(ワイヤ放電加工機)

↑研究室の実験装置(ワイヤ放電加工機)

1980年に工学部の精密機械工学科を卒業し、大学院で工学博士の学位を取得し、大学の教員になりました。2010年までは東京農工大学、現在は東大に戻り、教授として精密加工技術に関する研究をしています。
 日本は、ものづくり技術で世界をリードしています。ですから、研究室には留学生や外国人訪問研究者が多く、下の写真に写っているメンバーの半分近くは外国人です。

4年生になって研究室に配属されると、それまでの講義形式の授業とは違って、研究者として自主的に研究をします。4年生であっても、大学や企業の研 究者が 集まる学会の場で研究発表をします。理系の研究室では、ほとんどの学生さんが大学院に進学し、修士課程において2年間の研究を行います。その間には国内の 学会発表はもちろん、国際会議で英語での発表も行います。もっと深く研究を行いたい人は博士課程に進学し、さらに3年間の研究生活を送り、一人前の研究者 になります。科学技術の進歩は早いので、企業も修士課程の修了者を優先して採用します。また、博士号を取得した人材は大学の教員になるだけでなく、世界の 最先端技術と伍していくために産業界でも必要とされています。人です。

 研究室に入ってからの研究生活はとても忙しく、良い研究成果をたくさん出せるかどうかは、その人の総合力で決まります。つまり、体力、忍耐力、礼儀、誠実さ、謙虚さ、向上心、そして学力です。決して頭の良さだけで決まるものではありません。
 体力と健康は最も重要です。私は学生と一緒に学生食堂で食事をしますが、たくさん食べる学生はよい研究をします。健康管理が出来ていて、風邪で休んだりしない学生が最も多くの成果を出します。
 礼儀については、挨拶のできない人は、教員にも学生にもたくさんいます。でも、挨拶のできない人はとても損をしていると思います。人間は自分の力だけで 仕事をしているわけではありません。周囲の協力がなければ仕事は出来ません。私はあいさつのできない学生とは、研究の打合せをしたくありません。
 自分が弱いことを良く自覚している人は、誠実さ、謙虚さがあります。そのような人は礼儀もわきまえていますし、向上心もあります。入学時に実力が高くても、成長の勾配が小さければ4年間であっという間に追い越されます。いわんや長い人生においては、です。

そして、最後が学力です。東大を目指そうという人ならば、心配はないでしょう。でも意外と、上記のすべての要素を持ち合わせた学生さんは少ないので す。大 学に入学したころは、みんな立派だったと思います。でも、合格した途端、残念ながらこれらの大事な要素を忘れてしまうようです。東大生や東大教員、そして 世の中も、東大生は頭がいいから、研究成果も一番と勘違いしています。しかし、それは必ずしもそうではありません。人間の実力は総合力です。

 東大を目指す皆さんは、学力については申し分がないでしょう。だから是非、東大に入ったら、上記のすべての点で自分を鍛えることのできる、柔道部 に入っ て下さい。もちろん、柔道部でなくても、自分を鍛えることはできると思います。でも私は、東大柔道部が鍛錬の場としてとても適していると思います。柔道の 練習は厳しいですが、研究の世界も厳しいです。是非、東大柔道部で総合力を鍛えて下さい。

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